夕方弟と二人で近所の子供が集つて遊んでゐる寺の庭に行つた。却々みんな近づかなかつたが、そのうち一人が、「名前はなんだ」と訊いた。僕は自分の中也といふ名前がひどくいやだつたものだから、「一郎」と小さな声で躊躇の揚句答へた。それを「イチオー」…
中原中也はこの娘にいさゝかオボシメシを持つてゐた。そのときまで、私は中也を全然知らなかつたのだが、彼の方は娘が私に惚れたかどによつて大いに私を咒つてをり、ある日、私が友達と飲んでゐると、ヤイ、アンゴと叫んで、私にとびかゝつた。 とびかゝつた…
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