そば茶

ウラ・アオゾラブンコがなくなって寂しいので、自分で作家たちの言動の記録をメモしていくブログ

阿川弘之は仮名遣いに細かい

阿川さんは、雑誌名の「こおろ」は古事記からの引用であるから、歴史的仮名づかいの「こをろ」でなくてはならない、と極力主張したので、四号から「こをろ」と改められた。外様の阿川さんは、この他にも色々不満を言った。 松原一枝『文士の私生活 昭和文壇…

ハタハタを食べる太宰治

なんのことだろう?私が当惑したところ、太宰はその怪魚を、その頃同棲していた初代さんに、七輪の金網の上で、次々と焼かせ、手掴み、片ッ端からムシャムシャとむさぼり食いながら、 「早く喰えよ。ただし疝気筋の病気には、あんまり良くないっていうけどね…

百閒先生の本

今手元に有る内田百閒の本はというと、 ・百鬼園随筆(新潮文庫) ・続 百鬼園随筆(新潮文庫) ・御馳走帖(中公文庫) ・ノラや(中公文庫) ・東京日記(岩波文庫) の以上5冊。 阿房列車も買ったのだけれども、実家のどこにあるのやら、とか思いながらぱ…

内田百閒と大手饅頭

私は度度、大手饅頭の夢を見る。大概は橋本町の大手饅頭の店に這入つて、上り口に腰を掛けて饅頭を食ふ夢である。 早くから店を仕舞ふと云ふ事を、子供の時に覚えてゐるので、夢ではいつでも、もう無くなりさうで、間に合はないから、大急ぎと云ふ、せかせか…

頭がデカい内田百閒

「やはり思うくはあいけれど、まあ貧乏話なんかは構わないとしても、僕が漱石先生のパナマ帽を貰ったと云うのは本当ですか」 「本当だろう」 「そうか知ら。しかし漱石先生の帽子が僕の頭に這入るわけがないと思うんだけれど」 「そりゃ君、洗濯屋で鉢をひろ…

森鴎外の饅頭茶漬け

鴎外はお葬式饅頭を白い、美しい掌で四つに割り、飯の上にのせ、いい煎茶をかけて食べた。大人は誰も美味そうだとは思わないが、私達三人の子供はよろこんで真似た。子供の口には美味しかった。 森茉莉『ドッキリチャンネル』より抜粋 鴎外の食の好みについ…

森茉莉の本のこと

以前、『貧乏サヴァラン』を探していると書いたのですが、未だに見つからず、代わりなのかなんなのか『マリアの気紛れ書き (ちくま文庫)』を押し入れから発掘しました。 結構前に読んだきりだったので、パラパラと見直すと、ちょくちょく鴎外のことや室生犀…

泉鏡花の潔癖性

大体に潔癖な方ですから、生物を食べなくなってからの先生は、如何いかなる例外もなく良く煮た物しか召し上がらなかった。刺身、酢の物などは、もってのほかのことであり、お吸物の中に柚子の一端、青物の一切が落としてあっても食べられない。大根おろしな…

太宰治の言う食通

食通というのは、大食いの事をいうのだと聞いている。私は、いまはそうでも無いけれども、かつて、非常な大食いであった。その時期には、私は自分を非常な食通だとばかり思っていた。友人の檀一雄などに、食通というのは、大食いの事をいうのだと真面目な顔…

最近、このマンガ読んでます

最近、全く投稿していませんが、 鴎外やご本人ネタ満載の森茉莉『貧乏サヴァラン』を探していたのでした。 買って読んでたのは確かなのに、一体全体どこ行った?と、散らかったお部屋で『貧乏サヴァラン』を探すだけでなく、 最近は、このマンガとかを読んで…

坂口安吾のライスカレー100人前注文事件

トッピだと思われるほど突然に睡眠薬を飲んで、たちまち凶器になり、ライスカレーを百人まえ注文にやらされたこと、などである。 檀家の庭の芝生にアグラをかいて、坂口はまっさきに食べ始めた。私も、壇さんたちも芝生でライスカレーを食べながら、あとから…

ネタ探しも兼ねて図書館から借りてきた「どくとるマンボウ回想記」を読んでます。 どくとるマンボウシリーズは面白いのでついつい手が伸びてしまうのですが、 北杜夫の文芸作品をちゃんと読んだことが無い事に気づいて、 これはいけないと少し反省しています…

自分の名前がイヤだった中也の金沢の思い出

夕方弟と二人で近所の子供が集つて遊んでゐる寺の庭に行つた。却々みんな近づかなかつたが、そのうち一人が、「名前はなんだ」と訊いた。僕は自分の中也といふ名前がひどくいやだつたものだから、「一郎」と小さな声で躊躇の揚句答へた。それを「イチオー」…

安吾が見た酒癖の悪い中原中也

中原中也はこの娘にいさゝかオボシメシを持つてゐた。そのときまで、私は中也を全然知らなかつたのだが、彼の方は娘が私に惚れたかどによつて大いに私を咒つてをり、ある日、私が友達と飲んでゐると、ヤイ、アンゴと叫んで、私にとびかゝつた。 とびかゝつた…

太宰治と蟹

というのは、三十五年も昔になるか。太宰治と二人新宿を歩いていたところ、太宰は道端に売っている夜店の「毛蟹」をおそれげもなく一匹買い、それをまっ二つに割って、半分は私にくれ、そのまま街を歩きながら、手掴みで、ムシャムシャと喰いはじめた。 檀一…